デモクリトス
よみ方
でもくりとす
英 語
Democritus
説 明
デモクリトス(Democritus;c.BC460 - BC370)はトラキア地方のアブデラ出身の古代ギリシアの哲学者。レウキッポス(Leucippus)を師として原子論を大成した。アナクサゴラスの弟子でもあり、ペルシアの僧侶やエジプトの神官に学び、エチオピアやインドにも旅行したと伝えられる。哲学のほか数学・天文学・音楽・詩学・倫理学・生物学などに通じ、その博識のために「知恵(Sophia)」と呼ばれた。
デモクリトスとレウキッポスは、自然を構成する分割不可能な最小単位として「アトム(不可分なもの・原子)」が存在すると考え、アトムの存在やその運動の説明のため、「ケノン(空なるもの・空虚)」の存在を考えた。このアトムは分割できず、色々の大きさや形があり、生成消滅せずに常に運動しており、これらの組み合わせや配列によって感覚でとらえられる物質や現象が生じると考えた。
自然の根源についての学説は、アリストテレスが完成させた4元素説が優勢であり、原子論は長らく顧みられることはなく、デモクリトスの著作は断片しか残されていない。しかし、18世紀以降、化学者のドルトンやラヴォアジェによって原子論が優勢となり4元素説は放棄された。ただし、近代的な原子論は、デモクリトスの古代原子論と全く同一という訳ではない。
天の川が無数の星からなることを予想した最初の人であるとも言われている。
2024年04月23日更新
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