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COBE衛星

高

よみ方

こーびーえいせい

英 語

COBE satellite

説 明

1989年に打ち上げられたアメリカの人工衛星で、Cosmic Background Explorer(宇宙背景放射探査衛星)の頭文字を取ってCOBE衛星と呼ばれた。
FIRAS(Far-Infrared Absolute Spectrometer; 遠赤外絶対分光計)、DMR(Differential Microwave Radiometer; 差動型マイクロ波測定器)、DIRBE(Diffuse Inrared Background Experiment; 拡散赤外背景放射実験装置)と呼ばれる3つの検出器が搭載され、FIRASとDMRによって宇宙マイクロ波背景放射(CMB)、DIRBEによって宇宙赤外線背景放射が測定された。特に、FIRASによってCMBが高い精度で温度2.725±0.002 Kの黒体放射であることが示され、DMRによってCMBの全天に渡る温度分布のゆらぎが10万分の1 Kの精度で決定された。WMAP衛星プランク衛星も参照。
ホームページ:https://lambda.gsfc.nasa.gov/product/cobe/

2023年05月13日更新

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    関連画像

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    COBE衛星(NASA)
    https://map.gsfc.nasa.gov/media/990295/990295b.jpg
    COBE衛星のDMR装置による宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎの全天マップ(NASA)。
    https://lambda.gsfc.nasa.gov/product/cobe/dmr_image.cfm
    COBE衛星のFIRAS装置による宇宙マイクロ波背景放射のスペクトル。実線は2.735 Kの黒体放射の理論曲線(プランクの法則)(Mather et al. 1990, ApJ, 354, L37)。黒体放射の温度はその後の詳細な解析から2.725±0.002 Kと求められた(Mather et al. 1999, ApJ, 512, 511)。