キャノン
よみ方
きゃのん
英 語
Cannon, Annie Jump
説 明
キャノン(Annie Jump Cannon;1863-1941)は恒星のスペクトル分類を初めて系統的に行なったアメリカの女性天文学者。デラウエア州出身。1880年にウェレズリー大学に入学、物理学を学ぶ。1896年にハーバード大学天文台のスタッフになり、ピッカリング(W. Pickering)の下で「コンピュータ」(天体写真を解析し、一つ一つの星について位置や明るさ、スペクトルを特定する仕事をするスタッフ)として働き、スペクトルのハーバード分類を確立した。その成果は、1918〜1924年にかけて9巻に分けて「ヘンリードレーパー星表」(略称HD星表)として発表され、約22万5千天体のスペクトル型が記載された。1921年、フローニンゲン大学で女性として最初の天文学の学位を取得、1923年にアメリカでもっとも偉大な12人の女性の1人に選ばれ、1925年にはオックスフォード大学から女性初の名誉博士号を贈られた。キャノンはその後も仕事を続け、「ヘンリードレーパー星表拡張版』(略称HDE星表)を手掛け(完成は1949年)、総計約35万星のスペクトル分類を行なった。この途上で、五つの新星と300個の長周期変光星を発見している。
1931年、全米科学アカデミーからヘンリー・ドレイパー・メダルを受賞(女性で最初)、1932年にはエレン・リチャーズ賞を受賞し、その賞金を後進のための奨学金としてアメリカ天文学会に譲渡、女性天文学者に贈られるアニー・J・キャノン賞が創設された。1938年にはボンド記念天文学者の地位を得ている。
参考:http://www.britannica.com/EBchecked/topic/92776/Annie-Jump-Cannon
2024年02月18日更新
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