熱制動放射
よみ方
ねつせいどうほうしゃ
英 語
thermal bremsstrahlung
説 明
荷電粒子が減速を受けることで電磁波を放射するメカニズムを制動放射という。そのうち熱平衡にある電子プラズマからの制動放射を熱制動放射という。自由-自由放射と呼ばれることもある。プラズマの温度を $T$、放射の振動数を $\nu$、プランク定数を $h$、ボルツマン定数を $k_{\rm B}$ とすると、放射体が光学的に薄い場合は、熱制動放射の強度は電子のボルツマン分布のため振動数(周波数)が低いところ(低周波帯:$h\nu \ll k_{\rm B} T$)では振動数によらずにほぼ一定で、振動数が高い高周波帯($h\nu \gg k_{\rm B}T$)では振動数が高くなるにつれて急激に減少する。これを利用してスペクトルの形状からプラズマの温度が推定できる。また放射が電子とイオン(陽子)の衝突によって起こるため放射強度は電子の数密度の2乗に比例する。このことから放射強度を測ることで電子の数密度が推定できる。
2023年10月03日更新
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