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小惑星

 

よみ方

英 語

説 明

太陽の周りを公転する天体のうち、惑星準惑星およびそれらの衛星を除いた小天体を太陽系小天体と呼び、それらのうちおもに木星の軌道周辺より内側にあるものを小惑星と呼ぶ。小惑星は軌道長半径によって、小惑星帯(メインベルト)の小惑星(メインベルト小惑星と呼ばれることが多い)、トロヤ群小惑星、および地球接近小惑星に大別される。他にも木星に対して2:3の軌道共鳴状態にあるヒルダ群小惑星などさまざまな分類型もある。ただし、小惑星帯において最大の天体であるケレスは小惑星にも準惑星にも分類されている。
メインベルト小惑星は、太陽系形成後期の木星形成後、木星からの重力作用を受けて軌道が大きく乱された微惑星がそれ以上の合体成長を妨げられたもの、あるいは軌道を乱された結果、高速衝突と破壊を経験して形成されたものと考えられている。
トロヤ群小惑星は、木星と同じ軌道上で太陽から見て木星より60度前方あるいは後方にあるラグランジュ点と呼ばれる力学的平衡点近傍に存在する小惑星である。すばる望遠鏡などで得られた小惑星の大きさ分布をまとめた最近の研究から、トロヤ群やヒルダ群にはもともと太陽系外縁天体であったものも含まれていることが示唆され、ニースモデルと整合する結果が得られている。
地球接近小惑星の多くは、メインベルト小惑星が、木星や土星との共鳴関係などの力学的な効果によって軌道の離心率が大きくなり、近日点距離が1.3 au(au は天文単位)以下になったものである。
小惑星のなかには似通った軌道要素をもつグループに分類できるものがあり、これを小惑星のという。同じ族に属する小惑星は、共通の母天体の衝突破壊によって形成された破片群であると考えられている。小惑星の中には衛星をもつものも見つかっている。近年、複数の探査機による小惑星探査が行われ、密度や組成、表面状態に関する詳しいデータが得られている。大部分の小惑星は惑星のような熱進化を経験していないと考えられるため、太陽系形成初期に関する貴重な情報源である。
はやぶさ探査機はやぶさ2探査機も参照。

2019年08月25日更新

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