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スペースシャトル

高

よみ方

すぺーすしゃとる

英 語

space shuttle

説 明

アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した世界初の有人飛行ができる再使用型宇宙船。最大7人の乗員と貨物を搭載でき、人工衛星の運搬、無重力状態を利用した科学実験、国際宇宙ステーションの建設などに使われた。1981年の初飛行以来頻繁に打ち上げられ、2011年7月のアトランティスによる135回目の飛行をもって30年間の活動に幕を下した。
スペースシャトルは、外部燃料タンク、2本の固体燃料補助ロケット、および宇宙飛行士と貨物を搭載する軌道船からなる。補助ロケットは打ち上げ2分後に切り離されパラシュートを用いて着水し再利用される。上空で主エンジンが停止されると外部燃料タンクが切り離され、軌道船のみとなる。外部燃料タンクは大部分が大気圏内で消滅する。地球に帰還するときは、軌道船の姿勢制御ロケットを使ってグライダーのように滑空して着陸する。コロンビア、チャレンジャー、ディスカバリー、アトランティス、エンデバーの5機が運用されたが、チャレンジャーは1986年に発射から73秒後に爆発、コロンビアは2003年に地球帰還の途中で空中分解して、乗員14名の命と2機が失われた。
大きな貨物室を備えていることがスペースシャトルの特長で、これにより、ハッブル宇宙望遠鏡のような大型衛星を軌道に投入したり、軌道上にある衛星を回収して修理したり、地球に持ち帰ったりすることができる。1990年にディスカバリーによって打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡はスペースシャトルによって5回の修理が行われた。この「サービスミッション」は、1993年12月、97年2月、99年12月、2002年3月に行われ、キャンセルの予定を変更して行われた08年10月のミッションが最後となる予定であった。 しかし、運用継続を望む強い世論に押されて、2009年5月にもう一度、最後の修理ミッションが行われ、ハッブル宇宙望遠鏡は2017年時点でも良好な状態で運用がされている。 大きな修理は宇宙飛行士が船外活動で行なった。

2018年03月20日更新

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    サービスミッションの様子(NASA)
    https://www.nasa.gov/mission_pages/hubble/servicing/index.html
    スペースシャトルの打ち上げ
    ディスカバリーによるハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ(1990年4月24日午前8時33分(NASA)
    https://www.spacetelescope.org/images/hst_launch_hi/