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銀河中心核

 

よみ方

ぎんがちゅうしんかく

英 語

galactic nucleus

説 明

銀河の中心にある極めて高密度な質量源。 天の川銀河銀河系)を含むいくつかの近傍銀河については、中心核のごく近くにある星やガスの運動が高角分解能で観測されており、高密度な質量源の正体は超大質量ブラックホールであると推定されている。 超大質量ブラックホールに降着円盤ができると活動銀河核になり、あらゆる波長で明るく輝く。 銀河系の中心にはわれわれから最も近い銀河中心核がある。星間減光が極めて大きいため可視光では見えず、 電波、赤外線、X線などで調べられている。 銀河系の中心核はいて座A*(Sgr A*)と呼ばれる点状(0.1秒角以下)の電波源である。そこには太陽の質量の 約400万倍のブラックホールがあると推定されているが、降着円盤を持たないので活動銀河核ではない。 矮小銀河などの小質量銀河を除けなほぼすべての銀河の中心に大質量ブラックホールがあると考えられている。いて座Aも参照。

2023年04月10日更新

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    銀河系(天の川銀河)の中心にある超巨大ブラックホールいて座A*。
    (クレジット:X-ray: NASA/UMass/D.Wang et al., IR: NASA/STScI)。
    https://www.nasa.gov/mission_pages/chandra/multimedia/black-hole-SagittariusA.html