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銀河ハロー

高

よみ方

ぎんがはろー

英 語

galactic halo

説 明

渦巻銀河円盤を包みこむように丸く分布している星の成分。単にハローともいう。バルジ銀河円盤に比べて密度が圧倒的に低いため、観測が難しい。天の川銀河銀河系)はハローが詳細に観測されている数少ない銀河の一つである。銀河系のハローの星は、年齢が古く、重元素量が低い。その運動は、離心率の高いランダム運動が主である。銀河ハローの星の分布は一様ではなく、さまざまな副構造を持っていることがわかってきている。ハローには球状星団が多数存在しているほか、ガスも広く分布している。飲み込まれつつある矮小銀河が見つかることもある。銀河円盤の回転曲線や球状星団の運動の観測から、ハローには星やガスをはるかに上回る質量のダークマターが存在していることがわかっている。これをダークマターハローという。

2018年08月16日更新

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    *最も身近な渦巻銀河である銀河系を例にとって、渦巻銀河の構造の概略を図示したもの。(左)円盤正面から見た構造、(右)円盤側面から見た構造。泉浦秀行「基本的な観測量」、シリーズ現代の天文学第5巻、祖父江・有本・家編『銀河II』第2版 1.3節、図1.24(日本評論社)