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アインシュタイン半径

 

よみ方

あいんしゅたいんはんけい

英 語

Einstein radius

説 明

重力レンズ現象の強さを表す用語。遠方にある光源天体からの光の軌跡が、その視線上で手前にある別の天体(レンズ天体)の重力によって曲げられるときの、曲率半径をいう。対応する角度をアインシュタイン角度という。光源が点状ではなく広がっているときは、重力レンズによって円環状の像になる場合があり、光源と重力レンズ天体が正確に視線上にある場合は、重力レンズによる像は円環となる。これはアインシュタインリングと呼ばれる。アインシュタイン半径はこのリングの半径に対応する。一般に、重力レンズを起こす手前の天体の質量が大きいほど、アインシュタイン半径は大きくなり、光の曲がりが大きくなる。

2018年04月12日更新

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    *重力レンズ効果の説明図。座標原点を中心とする球対称な質量分布を持つ銀河団がある場合を仮定している。左図は銀河団の背景にある丸い円盤形のの光源の天球上での本来の位置。右図はそれぞれの光源が実際に観測されたときの形状を示す。左図で中心にある光源は、右図で破線を含むリング(アインシュタインリング)となって観測される(破線は左図の中心点に対応する)。
    高田昌広「重力レンズ効果」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口他編「銀河I」8.5節 図8.8(日本評論社)
    アインシュタインリング
    ハッブル宇宙望遠鏡によるアインシュタインリングの画像(SDSS J162746.44-005357.5)
    https://www.spacetelescope.org/images/opo0532g/