天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

New

ダークマターハロー

 

よみ方

だーくまたーはろー

英 語

dark matter halo

説 明

ダークマターが自己重力で集まった塊のこと。ダークハローあるいは暗黒ハローと呼ぶこともある。バルジ円盤ハローとともに銀河の基本構成成分である。ダークマターハローにガスが引きずり込まれて集まり、そのガスから星が生まれ、銀河が誕生すると考えられており、ダークマターハローはいわば銀河を宿す母体である。ダークマターハローが銀河の質量の大部分を担っており、星やガスの運動に大きな影響を与えている。渦巻銀河平坦な回転曲線はダークマターハローが存在する証拠である。
ダークマターハロー同士が重力で引き合い、合体を繰り返し、より大きなダークマターハロー(たとえば銀河群銀河団を宿すハロー)へと成長していくと考えられる。ダークマターハローを直接観測することはできないが、背景天体の形を歪める重力レンズ効果や、ダークマターハローに束縛された高温プラズマから放射されるX線の観測などによって間接的にその存在がわかっている。

2023年09月12日更新

問い合わせ
問い合わせ

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    記事タイトル (必須)

    [text* title]

    記事URL (必須)

    [text* url]

    お名前 (必須)

    [text* your-name]

    メールアドレス (必須)

    題名

    [text your-subject]

    メッセージ本文

    このフォームはスパムを低減するために Akismet を使っています。 データの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    アンドロメダ銀河の回転曲線(上)と平坦な回転曲線がダークマターの存在する証拠になることの説明(下;岡村定矩)。回転速度がほぼ一定となる範囲で、それより内側に含まれる質量M(r)は半径rに比例するが、光の強度(=光る物質の量)も中性水素ガスの量も半径rとともに減少するので、見えない物質が存在することが分かる。
    背景銀河の奥行き情報 (赤方偏移) と組み合わせ、弱重力レンズ効果を利用して推定したダークマターの3次元分布図。すばる望遠鏡ホームページより説明文とともに引用。(クレジット:東京大学/国立天文台)
    https://subarutelescope.org/Pressrelease/2018/02/26/fig4j_s.png