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二重中性子星連星

 

よみ方

にじゅうちゅうせいしせいれんせい

英 語

binary neutron star

説 明

中性子星と中性子星の連星系。英語ではdouble neutron star binaryという表現が用いられることもある。最初に発見された二重中性子星連星はPSR B1913+16である。アメリカのハルス(R.A. Hulse)とテイラー(J.H. Taylor)は、この連星のパルス周期の時間変化を精密に観測して軌道周期が短くなっていることを示した(1975年)。これは軌道角運動量が抜き取られることで説明できることがわかり、一般相対性理論が予言している重力波の存在を間接的に証明する材料となった。二人はこの研究により1993年のノーベル物理学賞を受賞した。2017年8月17日に観測された5例目の重力波(GW170817) は、二重中性子星連星の軌道収縮が進み、その最終段階で2つの中性子星が合体して発生したことが重力波の波形解析から確認された。二重パルサー連星も参照。

2022年03月08日更新

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    二重中性子星連星PSR B1913+16の軌道周期の変化。縦軸は発見当初からの軌道周期の変化量で、点が観測値、実線が一般相対性理論による計算値を示す。(J.M. Weisberg, D.J. Nice and J.H. Taylor, Astrophysical Journal 722:1030-1034, 2010))